Cross Track:道が交わる、その先へ

Cross Track

はじめに

陸上の世界には、いつも“結果”だけが残る。
そのアスリートの裏にある考え方や過程、その人が考えたことは、ほとんど語られないまま消えていく。

残した功績と考え方が評価される選手など、陸上界で言えば指折り数えるくらいしかいない。

SNSで流れてくるのは一瞬で過ぎていく縦動画の映像と、ありきたりな情報。

その道を極めたアスリートが、どう考え、結果を残すべく努力をしているのか。
そしてその結果の裏側にこそ、スポーツ選手として競技に向き合った何物にも変え難い価値があるのではないか。

もしかしたら、正解や答えは1つではないのかもしれない。

私は、誰にでもあるその裏側を、もっと奥深くまで探ってみたいと思った。

だから、“Cross Track”を立ち上げた。

陸上と外の世界を交差させる

Cross Trackは、陸上競技の中の世界でも交差し、外の世界とも交差する。

インタビューと対談を通じて、アスリートたちの秘める内面を可視化し、競技の価値を社会的に再定義したい。

また、競技をする人間と、はたまた何か別の分野で挑戦している人間の、その深さを掘り起こし、それぞれの価値を再発見する。

陸上競技だけでなく他分野と交差し、アスリートが「ただスポーツをする人」ではなく、考え、自己表現を通して影響を与えられるような人として評価される世界へ、1歩ずつ歩んでいく。

なぜ、価値が見えにくいのか

社会は「結果=感動」という一元的な物語でアスリートを見ていると思う。
結果に拍手をするけれど、その裏にある日々の積み重ねや考え方が社会に届く仕組みはほとんど存在しない。
だから「スポーツに秀でた人はすごいけど、それで生きていけるか、ということとは違う」と見られる。

価値の核心は、行動知

社会的に言えば、それは“行動知”と呼べると思う。
単に頭で理解する知識ではなく、身体と経験で掴む、生きていくうえで重要なスキルだ。

• 継続が何を生むか
• 挫折したとしても、メンタルを再構築する方法
• ここ大一番というところでどう力を発揮するか

これらはきっと、どんな人にも大きな意味のある、普遍的な知恵だ。
ただ、それらをアスリートが伝える場所がなかったことで、社会が価値として認識してこなかった。

大谷・イチロー選手の例との違い

大谷翔平選手やイチロー選手は「結果」から「考え方」が評価されたように見えるが、実際はだ。
あの人たちは、もともと考え方 → 結果という流れで生きていた。
社会は、結果を見たあとに考え方に気づいた。

私たちアスリートも、その道を極める人間も、結果の大小に関係なく、考え方 → 行動を体系化して見せれば、社会がその価値を認識できると思う。

Cross Trackがやること ― 価値を可視化する

その1:競技を言葉にする

それぞれが感覚で捉えているもの、言語化が難しいものを、言葉に置き換える。

・その道を極める原動力となるものは何か
・最終的に辿り着きたいもの、追い求める姿は何なのか

その2:知を共有

日々の練習で見つけた考え方や行動知を共有する。

・トレーニングメニューなどではなく「考え方」を中心に語る(お互い共通の分野であれば専門的な話も)
・挫折、挑戦、原動力などの共通した部分から、考え方の話を展開
・他分野の原理との共通項を探る

その3:正解や答えは、「ない」と捉える

分野が異なれば、目的やゴールも異なる。
その中でお互いの考えを共有して、新たな考え方の側面に気づく。
その新たな視点を持って、それぞれの取り組みに良い影響を与え合う。

そしてその過程をこのCross Trackで読者と共有し、みなさまはアスリートの考えに触れてみてほしい。
それが少しづつ、社会にとって本質的で、気づきがあって、刺激的で、何だかワクワクするするものだと感じてほしい。

それにより、競技を超えて交差する知のプラットフォームが生まれる。

 

道が交わる、その先へ

Cross Trackは、陸上、他競技と他分野、
スポーツと社会が交わる場所。

結果の裏にある日々の積み重ねと挑戦、考え方をお届けし、
競技の価値を社会に広げるメディアとして。

挑戦するその一歩一歩が、スポーツの価値になる。

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U20日本選手権優勝(大会新記録)を果たし、その際のタイム1分47秒80は高校日本歴代5位というトップクラスの記録であった。その一方で、東京大学 理科一類に現役合格を果たしており、まさに“究極の文武両道”の体現者だ。U20世界選手権日本代表という世界レベルでの経験と、東大合格という揺るぎない知的な実績を持つ。

Noah|1人のアスリート

国内最高峰の大会でメダル獲得という実績を持つ。トップレベルで実績を持つアスリートとの対談を通じ、結果の裏にある価値を再発見。異分野との対話から、吉澤と共に刺激的な学びを生み出す。

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